スティーブ・ピアース
3-1 lead, what could possibly go wrong? #WorldSeries pic.twitter.com/6hJUq3DFwg
— MLB (@MLB) October 28, 2018
前日、ワールドシリーズ史上最長記録となる延長18回、7時間20分の死闘を制したドジャースは、勢いに乗り、まずは2勝2敗のタイに持ち込みたい。逆にレッドソックスは負けている分、消耗が激しいはずで、ドジャースが圧倒的に勝ちそうな気配だった。
先発はドジャースのリッチ・ヒル、レッドソックスのエドゥアルド・ロドリゲス、両左腕の投げ合いとなり、締まった試合展開で、5回まで0行進。
試合が動いたのは、6回にドジャースは1死満塁の好機を迎えると、併殺崩れの間に1点を先制。さらに2死一、三塁でヤシエル・プイーグ外野手が左中間スタンドへ3ラン本塁打を放ち、この回に一挙4得点を奪った。
抜群にブレーキの効いたカーブが、速球のキレを際立たせていた。
後は継投で逃げ切れそうな雰囲気の中、ヒットよりもマズい四球で2死一・二塁ピンチを招き、ドジャース3番手ライアン・マドソンと対峙した代打ミッチ・モアランドが、初球をフルスイングで捉え、右翼席に飛び込む3ラン。雰囲気がガラリと変わった。
テキサス・レンジャーズが強かった2010年と2011年にワールドシリーズ出場を果たしたが、2年連続で敗れている。特に2011年には優勝目前の9回2アウトまで漕ぎつけながら、涙を呑んだ。この経験が彼を強くした。
2011年の第6戦は伝説の試合。奇しくもそのシリーズMVPで、奇跡の逆転劇の立役者であるデビッド・フリースと再び顔を合わせている。
キンズラーもいます。
1点差の8回、ロバーツ監督は、またも前倒しで守護神ケンリ―・ジャンセンを登板させた。キレのない逆球を、スティーブ・ピアースが左中間に放り込み、試合を振り出しに戻した。
ここ一番に強い男が、大舞台でも魅せた。
昨季、4日間に2度のサヨナラグランドスラムを打つ勝負強さを見せている。
振り返れば、このケリーの踏ん張りが非常に大きい。
打ち出すと止まらないレッドソックス打線は、9回にラファエル・デバースのタイムリーで逆転すると、満塁で登板した前田健太からピアースの走者一掃のタイムリー二塁打。さらにザンダー・ボガーツにもタイムリーが生まれてレッドソックスがリードを広げた。
リードを許した9回、エンリケ・ヘルナンデスがクレイグ・キンブレルから2ランを放つも、追い上げ実らず、本拠地で痛い敗戦となった。両守護神が安定感を欠いているが、致命的なのはダメージの大きいジャンセンの方だ。
3勝1敗。ドジャースは万事休すだ。負け方が悪すぎる、巻き返しが期待できない、明日カーショウで取れても、フェンウェイで連勝は至難の業。どこかで期待を捨てきれないが、レッドソックスの2013年以来5年ぶりの世界一が濃厚だ。
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