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No quit. #WorldSeries pic.twitter.com/1tP9bi7X7S
— MLB (@MLB) October 27, 2018
ロサンゼルスのドジャースタジアムに移して行われた第114回ワールドシリーズ第3戦。
ドジャースの先発は、今季8勝5敗、防御率2.62とブレイクした24歳右腕ウォーカー・ビューラー、力強い速球が魅力。
レッドソックスの先発は、2016年にサイ・ヤング賞に輝いた29歳右腕リック・ポーセロ。今季、防御率4.28ながら、191イニングを投げ、17の勝ち星を重ねた。飛びぬけたボールはないが、打たせて取る技巧派。
ここまでの二戦、左腕対決が続いたため、デーブ・ロバーツ監督は、右打者を中心に起用。今季ナ・リーグ最多の235本塁打を放ったドジャース打線の上位4人(マンシー・35本、ピーダーソン・25本、ベリンジャー・25本、グランダル・24本)が先発を外れた。湿っていたバットが本拠地に戻って、快音を響かせる期待が高まる。
※グランダルはスイッチだが、対右投手に強い印象。
DH制のア・リーグ、レッドソックスは、打点王J.Dマルティネスが第2戦で右足の捻挫が心配されたが、「4番・レフト」でスタメン出場。二塁手起用説もあった首位打者ベッツはライトを守り、ベニンテンディが控えに回った。
3回、ジョク・ピーダーソンが、初球のチェンジアップを完璧にとらえてライトフェンスの向こう、ブルペンまで運ぶソロ本塁打を放ち、1点を先制。3戦目で初めて先制点を奪った。
投げては、ビューラーが強力レッドソックス打線を7回まで、2安打に封じる快投。
こういうのが、ねじ伏せる、というのだろう。
先発ポーセロは、2死一塁4回2/3の場面、一発を食らったピーダーソンを迎えたところで降板。左のワンポイントでエドゥアルド・ロドリゲスに継投以降は、ケリー⇒ブレイジア⇒バーンズと1回ずつを抑え、7回まで0行進。
1-0のまま迎えた8回表、試合が動いた。ドジャースは守護神のケンリー・ジャンセンを前倒しで投入。2アウトを取ったところで、ア・リーグ優勝決定シリーズでMVPに輝いたジャッキー・ブラッドリーjr.に痛恨の一発で追いつかれる。
以降、両チームのリリーフ陣が踏ん張り、再び膠着状態が続く。レッドソックスは第2戦で先発したデビッド・プライスをリリーフで投入するなどし、必死の継投でサヨナラを許さない。
13回。レッドソックスは無死二塁のチャンスで、エデュアルド・ヌニェスの打球はボテボテのゴロ。これが投手・一塁手・二塁手の間に転がり、投手が処理をするも一塁ベースカバーが遅れ、ヌネスはトップスピードでヘッドスライディングでセーフ。さらに、トスが合わず、ライト方向へボールが転々とする間に二塁から走者ブロック・ホルトが生還。レッドソックスがリードを奪う。
スマートではないが、いつも全力ハッスルプレーのヌニェス 。数少ない楽しい選手。
その裏、絶対落とせないドジャースが意地を見せる。2アウトと追い込まれながらも走者を二塁に置き、ヤシエル・プイグのピッチャー返しは二遊間寄りに守っていたイアン・キンズラーが捕球したものの、無理な体勢からの送球がそれる。この間に2塁走者のマンシーが生還。土壇場で2-2の同点に追いついた。
史上最長イニングとなった15回に、前田健太がマウンドに立った。立ち上がりは制球が乱れ、先頭ヌニェスに一塁内野安打を許すと、続くブラッドリーjr.に四球。いきなり無死一、二塁のピンチを迎えるも、バスケスが三塁方向へ転がした送りバントを抜群のフィールディングで、迷うことなく三塁へ送球し、二塁走者ヌニェスを刺した。1死一、二塁とすると、レオンをチェンジアップで空振り三振。最後はベッツを外角高めスライダーで見逃し三振に仕留め、マウンド上で大きく雄叫びを上げた。
16回もマウンドに上がった前田は、先頭ボガーツをスライダーで空振り三振とすると、続くイバルディは速球で見逃し三振。最後はキンズラーをスライダーで空振り三振に斬り、3者三振。15回2死から打者5人を連続三振と圧巻のピッチングだった。
18回、ネイサン・イバルディ対し、先頭のマックス・マンシーがカットボールを捉えると、左中間スタンドに入る劇的なサヨナラ本塁打となった。
一歩も譲らぬ接戦だった。両軍、戦力を使い切り、エースのクレイトン・カーショーも代打で登場した。ワールドシリーズ史上最長イニング18回を戦い、史上最長時間7時間20分の死闘、日付をまたいでの貴重な1勝を挙げた。
#WorldSeries Game 3 was EPIC.
— MLB (@MLB) October 27, 2018
A bunch of new records were set. pic.twitter.com/dntW0piCwY
しかし、死闘を制したドジャースは、ホームで3連勝しなくてはならない。レッドソックスがフェンウェイで連敗することが想像できないからだ。負けられない戦いは続く。