MLB欧州初開催
世界No.1スポーツであるサッカー発祥地イングランドの首都ロンドンは、世界で最もサッカークラブが密集している。
アマチュアを含めれば、チーム数は100を超える。
ベースボールが似合わないロンドン、2012年のオリンピックのメイン競技場になり、プレミアリーグに籍を置くウエストハム・ユナイテッドFCのホームスタジアムであるロンドン・スタジアムを改造して、開催された。
Feels like home. We’re #LondonSeries ready.@mlblondonseries pic.twitter.com/h9Rj1MOjbJ
— MLB (@MLB) June 27, 2019
MLBヨーロッパ初開催は、この大人気球団2チームで行われる伝統の一戦が相応しい。
歴史に刻まれる試合で先発登板する幸運を掴んだ投手は、リック・ポーセロと田中将大。
メジャー通算140勝、2016年のサイ・ヤング賞投手のポーセロは、今季5勝7敗防御率4.52と不調。
反対に田中は、今季9度目のクオリティスタート(6回以上・自責点3以下)を達成するなど、5勝5敗と勝ち運に恵まれないものの、防御率3.21と安定している。
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— MLB Japan (@MLBJapan) June 29, 2019
長いイニングを投げることができる好投手二人が、ともに初回を投げ切れない予想だにしなかった立ち上がりとなる。
ポーセロが1/3回33球5安打6失点で降板すると、
田中もメジャー自己最短2/3回37球で降板。4安打2四球6失点、防御率は3.74と悪化した。
初回を終え、6-6と波乱の幕開け。
初回。アーロン・ヒックスの6号2ランで30試合連続本塁打とし、メジャー記録更新。
3回。ブレット・ガードナーの12号2ラン。6-8。
4回。ガードナーが四球で押し出し、DJ.ルメイヒューの3点タイムリー二塁打、アーロン・ジャッジの7号2ランで6得点。6-14。
5回。ディディ・グレゴリウスとルメイヒューのタイムリーで3点を追加した。
6-17。
6回裏。
ジャッキー・ブラッドリーJr.の9号ソロ。
7回裏。レッドソックスが意地をみせ、一挙6点を返し、反撃したが、勝ちパターン救援陣の前に抑え込まれた。(アダム・オッタビーノ→ザック・ブリットン→アロルディス・チャップマン)。
打のヒーロー、ドラフト1巡目23歳マイケル・チェイビス。
13号、14号、2つの3ラン。最多6打点。
ヨーロッパでの記念すべき初安打はDJ.ルメイヒュー。初打点はルーク・ボイト、初本塁打はアーロン・ヒックス。初勝利は2番手のチャド・グリーンが記録した。
思いもよらない大乱戦は両チーム合計37安打、30得点は、今季最多得点試合。
初回に両チームが6得点以上を奪ったのは、1989年6月23日のブルージェイズ対アスレチックス戦以来30年ぶりで、ヤンキースとレッドソックスの伝統の一戦で先発投手がどちらも1回投げ切れず降板したのは、史上初。
試合時間4時間42分の熱戦だった。
投手には、厳しい環境だったようだ。
慣れない土地に、厳しい暑さ。センターフェンスまでメジャー最短117メートルという急造スタジアムの狭さ。毛足の短い人工芝のグラウンドも転がる打球を速くし、取り分け、両先発のような打たせて取る投手は、難しかった。
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