MLBの日記

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追悼勝利

現地2日。ロサンゼルス・エンゼルスは、タイラー・スキャッグスが急逝した悲しみが癒えぬまま、敵地グローブライフ・パーク・イン・アーリントンでテキサス・レンジャーズと対戦。

心痛で試合が行える状況ではなかったが、「タイラーは、試合の中止を望まないだろう」とユニホームをベンチに、胸にスキャッグスの背番号「45」をつけ、気力を振り絞り、試合に臨んだ。

 

相手先発は、2009年ドラフト1巡目(全体7位)31歳のマイク・マイナー。

今季ア・リーグ防御率No.1(2.40)、前回登板タイガース戦では、1失点のみで完投している。ランナーを出しても平常心、制球力があり、長いイニングも投げられる(112回2/3は、ア・リーグ3位)。

キャリアハイは、2013年アトランタ・ブレーブス時代の13勝9敗204.2回・奪三振181・防御率3.21。

このシーズン以降は左肩の怪我に苦しんだが、2017年12月6日に、テキサス・レンジャーズと3年約2800万ドルで契約を結んだ昨季から今季にかけて復活。 

 

彼も心中穏やかではなかったように見えた。急なスライド登板の難しさもあった。制球に苦しみ4四球、球数かさみ、4回1/3で降板。

 

 

初回。1番フレッチャーが二塁打で出塁、2番DHで出場のトラウトは四球を選び、無死一、二塁。3番のアップトンが進塁打で二、三塁と変わると、4番プホルスの内野ゴロの間に1点を先制した。

 

 

デライノ・デシールズの本塁打などで1-3と逆転されたエンゼルスは5回。打ち崩せないものの粘って球数を投げさせたマイナーを2つの四球を選び、引きずり降ろすと、プホルスのヒットで2死満塁のチャンスを作り、ルクロイがライト前2点タイムリーを放ち同点に追いつく。3-3。

さらに6回1死から、フレッチャー、トラウトが連続四球で出塁すると、アップトンのセンター前タイムーヒットで勝ち越すと、プホルスが四球で、1死満塁のチャンスでラステラが立ったが、自打球を受け負傷交代。代打ボーアが初球を叩くと、打球は一、二塁間を抜け、貴重な2点タイムリーとなった。

ルクロイの3打点目となる犠牲フライで7点目。 

 

8回。シモンズが四球で出塁すると 

コール・カルフーンが亡き友に捧げる第18号2ラン。

9-4で勝利した。

2イニングを1失点に抑えたトレバー・ケーヒルが今季3勝目を挙げた。

 

代打・大谷が、粘っての9球目、スライダーを右手一本で技あり打。打率.303。



よく勝ったと思う。

勝率を5割に戻したエンゼルスだが、辛く苦しいシーズンになってしまった。

『45』を胸にワイルドカードを獲得できるだろうか。 

 

 

 

以前にもチームメイトを失ったジャスティン・ボーアは、2016年にエースだったホセ・フェルナンデスがボート事故で死亡した際のことに触れられ、「理解するには、しばらく時間がかかる」そして、「僕たちは、気持ちを込めて懸命にプレーしていくだけ」と語った。 

何度見ても涙が出る、忘れられないホームラン。

打たれたバートロ・コロンも、受けていたトラビス・ダーノーも泣いていた。

 

ラストシーズンは、16勝8敗・投球回182.1・奪三振253・防御率2.86 

サイ・ヤングも見える24歳の豪腕で、マウンドに立てば闘志剥き出し、ベンチではいつも笑い、子供のようにはしゃいでいた。まだまだ見ていたかった。

フェルナンデスの背番号『16』は、マイアミ・マーリンズ所属選手として初の永久欠番となっている。 

 

 

 

ナショナルズのパトリック・コービンが、本拠地のマーリンズ戦で先発。ダイヤモンドバックス時代から付けている背番号46を、タイラー・スカッグスの背番号45に変えて登板した。

コービンとスカッグスは2009年のドラフト2巡目(全体80位)、1巡目(全体40位)でエンゼルスに入団した同期。そして、共に10年7月にダイヤモンドバックスへトレード移籍し、共に12年にメジャーデビューしていた。 

勝ちこそ付かなかったが、親友に捧げる気持ちのこもった投球だった。

 

 

ガンジーは言った。 

『明日死ぬと思って生きなさい。』

皆が知る至言だが、実行できている人がどれほどいるだろうか。

まさか明日死ぬなんて思わないし、思えない。平和な国では特に。 

 

ただ彼らは、一生懸命にプレーし、それが出来ることに感謝することを、天から選手たちに伝えている気がしてならない。

 

 

 

 

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