MLBの日記

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ナックルカーブ

2015シーズンから4季連続でポストシーズンへ進出している名門シカゴ・カブスに暗雲が立ち込めている。

肘の炎症でIL入りしているクレイグ・キンブレル、脳震とうが心配されるアディソン・ラッセル、中でも大きな戦力ダウンは、左手の親指を亀裂骨折で、今月中の復帰が微妙な主軸のハビアー・バエズ。

主力の離脱で厳しい状況の中、ナ・リーグワイルドカード争いが熾烈を極めている。抜け出した感があるナショナルズ以外は全く分からない。カブスに加えて、フィリーズ、主砲クリスチャン・イエリッチの自打球による骨折で今季絶望が響くブルワーズ、そして強力先発陣を誇り、勢いのあるメッツ。

そしてブルワーズと並び、現在中地区2位のカブスは、レギュラーシーズン残りの17試合中7試合が、現在4ゲーム差で先を行く同地区首位のセントルイス・カージナルスとの対戦を控えており、負けられない戦いが続いている。

現地12日。サンディエゴに構える敵地ペトコパークでのパドレス戦にダルビッシュ有が先発登板した。

後半戦から頼れるエースへと変貌を遂げた男は、この日も安定感抜群だった。

コントロールにバラつきはあったが、多彩な変化球で、打者を幻惑した。4回のレフトフライでとった1アウト以降、6回で降板するまでの全アウトを三振で奪う圧巻の投球で、18アウト中14を三振で仕留めた。

許したヒットはたった2本。今季6勝目(6敗)を挙げ、防御率を3.97にまで良化させた。

試合前の8月21日ジャイアンツ戦の直前、キンブレルから教わったばかりの新球ナックルカーブで仕留めたのは、なんと14三振中7。難しい球種と聞くが、、天才としか言いようがない。

七色の変化球に、この緩急。何たる技巧か。 

ダルビッシュの後半戦成績は、11試合登板で4勝2敗、66回1/3を投げ、防御率は2.44。奪三振93に対し、与四球は6と圧倒的。

この登板で、ダルビッシュは今季200奪三振を達成。これは、自身4度目の200奪三振となり、野茂英雄に並ぶ日本人最多タイ記録となった。 

 

 

1回。1死一・三塁からクリス・ブライアントの犠牲フライで先制。

4回。2死二・三塁のチャンスを作ると、イアン・ハップのライト前タイムリーで2点を追加。

7回。ダルビッシュの代打で打席に立ったベン・ゾブリストのセカンドゴロで4点目。

2番手のカイル・ライアンが2つの併殺を完成させ、7、8回を無失点。

3番手のローワン・ウィックがマニー・マチャドへの押し出し死球で1点を失ったものの、最後は見逃し三振に仕留めた。 

前半戦の投球からは、全く、想像も出来なかった。

正直、達成できないと思われた2つ。規定投球回「162」と暫定だが、防御率3点台。

こうなると、ポストシーズンで見たくなる。

記憶に新しい2017ワールドシリーズで史上たった二人しかいない不名誉となった、先発投手で2イニング持たず、2度の降板。ダルビッシュほど悔しい思いを抱え、晴らしたいと願う投手はいないかもしれない。

 

鍵を握るカージナルスとの直接対決まで、少しでも差を縮めたい。

 

 

 

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