MLBの日記

MLBの楽しさを伝えるブログです。

HappyFélixDay

シアトルの“キング”、フェリックス・ヘルナンデス。最後の登板は感動の一幕だった。

初回。チームメイトはベンチに残り、慣れ親しんだ旧名セーフコフィールドのマウンドで1人の時間を作ると、ファンは総立ち、万雷の拍手がヘルナンデスを包んだ。

ふてぶてしくて、えげつない豪腕だった頃からは想像できないほど、王様はこの日、何度も泣いた。 

7年1億7500万ドル(現レートで約188億円)大型契約の最終年で、今季で退団するヘルナンデスがマリナーズでの最終登板となった現地26日、本拠地Tーモバイル・パークでのアスレチックス戦。

初回、1死から四球と3番マット・オルソン、4番ラモン・ラウレアーノ連打で先制点を許す。

2回、2死から四球、マット・チャップマンの36号2ランで3失点。

立ち上がり、2回までは苦しい投球がだったが、大声援に背中を押され、3回、4回を三者凡退で抑え、取った三振は、キングと三振のKが舞い踊るキングスコートへ捧げた。

2死満塁のピンチで、ディラン・ムーアがナイスキャッチ。

スコット・サービス監督は、イチローのときと同様に花道を作った。

101球で、6回のマウンドに送り、1つのアウトを取ると、感動の瞬間が訪れた。

5回1/3を5安打3失点の力投だった。

援護したい打線は、ショーン・マネイア、ヘスス・ルサルド、リアム・ヘンドリックスの前に沈黙、8敗目を喫した。

2016年から怪我が増え、今季も右肩痛で3カ月の離脱もあり、1勝しか挙げることができなかった。

 

 

マリナーズ一筋15年。低迷が続き、援護の少ない中、圧巻の投球でチームを引っ張った。

ベネズエラで生まれた神童ヘルナンデスは、多球団が争奪戦を繰り広げる中、16歳でマリナーズと契約。

2005年8月4日のタイガース戦で球団史上3番目の若さとなる19歳118日でメジャーデビューを果たした。

2009年に最多勝のタイトル(19)、最高勝率7.92を収める。

2010年は13勝ながら最優秀防御率(2.27)と最多投球回数(249.2)で票を集め、サイ・ヤング賞を受賞。

2014年には2度目の防御率タイトル(2.14)を手にした。

通算成績は、1球団での現役最多先発となる418試合、169勝135敗、

2524奪三振、2729回2/3投球回など、その他多くの球団記録を残した。 

2500奪三振完全試合サイ・ヤング賞の3つを1つのチームだけで成し遂げた投手は、メジャーリーグの長い歴史のなかでヘルナンデスただ1人であるという。

12年8月15日のレイズ戦は、球団史上唯一の完全試合を達成。

三振による最多の犠牲者は、なんと最強野手マイク・トラウト

 

 

まだ33歳のヘルナンデスは、現役続行の意思を示したが、深刻なまでに球速は落ち、抜群のチェンジアップは効果が薄くなった。実績を考れば、獲得に乗り出す球団が出てくるかもしれない。

 

 

今季は、イチロー引退し、ヘルナンデスが去った。

スター選手は一人もいなくなった。新星マリナーズが強くなる時期は、必ずやって来る。楽しみに待とう。

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。