ミスターオクトーバー
現地12日。アストロズとヤンキースによるア・リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)が、ヒューストンのミニッツメイドパークで開幕した。
#ALCS Game 1!
— Houston Astros (@astros) October 12, 2019
🏟 CLOSED
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— New York Yankees (@Yankees) October 12, 2019
“ビッグゲームピッチャー”田中将大と投げ合うのは、2009年のサイ・ヤング賞に輝き、205勝を誇る大投手ザック・グレインキー。今季、対ヤンキースの防御率2.13・被打率.163は、最強三本柱の内で、最も良い数字。
MASA-HERO IN OCTOBER pic.twitter.com/mabAHK93s6
— YES Network (@YESNetwork) October 12, 2019
レギュラーシーズンでは、3勝4敗と負け越し、更にビジターではスイープを喫しているヤンキースだが、ツインズとの地区シリーズを三連勝し、休養は充分。対するアストロズは、レイズに最終まで縺れる接戦を演じられ、2試合多くこなし消耗している。
またしても期待に応える快刀乱麻の投球を披露した。
メジャーNo.1のチーム打率.274を誇る最強打線を前に、抜群の集中力で、一球一球に全神経を傾けた。
「結果ほど良くなかった」と本人談の通り、序盤は抜けて落ちないスプリットを相手がミスショット、強い当たりは守備の正面を付いた。運もあったが、田中の投球術による効果のほうが大きい。高低内外を自在に投げ分け、目線をずらすと、多く並んだ右の強打者は、外角のスライダーで仕留めた。身体が解れた6回には、スプリットもキレを取り戻した。
Masahiro Tanaka, 85mph Splitter (foul) and 84mph Slider (Sword/K), Overlay. pic.twitter.com/UADm9ym2gx
— Rob Friedman (@PitchingNinja) October 13, 2019
カイル・タッカーのヒットとアレックス・ブレグマンへの四球で2人の走者を出したものの、いずれも併殺に仕留め、6回をわずか68球、全てのイニングを三人で仕留め、最少打者数18人で、チームに大きい初戦の白星をもたらした。
田中は、勝利投手となり、ポストシーズン通算5勝目を挙げ、ポストシーズン通算防御率は1.32。
Tanaka ➡️ #Postseason Ace pic.twitter.com/COV2enAbGx
— MLB Network (@MLBNetwork) October 13, 2019
7試合以上に登板した投手ではドジャースのサンディー・コーファックス(防御率0.95)、ニューヨーク・ジャイアンツのクリスティ・マシューソン(防御率1.06)に次いで歴代3位。
PSデビューから7試合連続で2失点以下。MLB公式サイトのリポーター、マット・ケリー氏によると、登板前まで6試合連続でサイ・ヤング賞3回を誇った殿堂入り左腕サンディ・コーファックスに並んでいたが、史上初となった。
15年ワイルドカードゲーム 対アストロズ 5回4安打2失点 負
17年地区シリーズ第3戦 対インディアンス7回3安打無失点 勝
17年優勝決定シリーズ第1戦 対アストロズ 6回4安打2失点 負
17年優勝決定シリーズ第5戦 対アストロズ 7回3安打無失点 勝
18年地区シリーズ第2戦 対レッドソックス5回3安打1失点 勝
19年地区シリーズ第2戦 対ツインズ 5回3安打1失点 勝
19年優勝決定シリーズ第1戦 対アストロズ 6回1安打無失点 勝
ヤンキース投手で6回を打者18人で終えたのは、1956年ワールドシリーズのドン・ラーセン、97年デビット・コーン、98年デビッド・ウェルズに次いで4人目。3投手とも完全試合を達成している大投手だ。
ポストシーズンでは17年10月18日のアストロズとのリーグ優勝決定シリーズから4試合連続で3安打以下・1失点以下。米メディア「ジ・アスレチック」のケーティ・シャープ記者によると、1972年ブルームーン・オドム(アスレチックス)以来2人目。
レジェンド級の投手と肩を並べる存在になっている。
田中が脱帽したプレーがあった。
WHAT. A. PLAY. (#ALCS on @FOXtv) pic.twitter.com/1YRQhA0k98
— YES Network (@YESNetwork) October 13, 2019
グレインキーも6回84球、7安打3失点と試合を作ったが、打線の援護には恵まれなかった。
試合が動きだしたのは4回、DJ・ルメイヒューのヒットをきっかけに1死二塁のチャンスを迎えると、グレイバー・トーレスがタイムリー二塁打を放ち1点を先制。
6回には、トーレスとジャンカルロ・スタントンにソロ本塁打が飛び出し、リードは3点となった。
珍しい逆方向への一発は、復調を予感させる。
7回は、アストロズ2番手のライアン・プレスリーから二死満塁のチャンスを作り、トーレスがセンターへの2点タイムリーで5-0。
9回表にもジオバニー・ウルシェラのソロ本塁打などで2点を追加し、7-0で完勝した。
田中からアダム・オッタビーノ、ザック・ブリットン、ジョナタン・ロアイシガと繋ぐリレーで最強アストロズ打線を見事シャットアウトした。
野手で際立ったのは、リードオフマンとして3度ホームを踏んだルメイヒュー、そして、打のヒーローは3番起用に応えたトーレス。
ソロ本塁打を含む3安打と大暴れ、22歳での5打点は、ポストシーズンでの球団史上最年少記録となった。
ツインズとの地区シリーズ第3戦でも本塁打を放っており、23歳以下の選手によるポストシーズン2本塁打は、球団ではミッキー・マントル、トニー・クーベックに次いで史上3人目の快挙でもあった。
アストロズがワールドチャンピオンとなった2017年のALCSは、ワイルドカードから勝ち上がったヤンキースが、先に3勝2敗と王手をかけながら敵地で連敗。7戦すべてをホームチームが勝利し、ホームフィールドアドバンテージが大きく影響した。
それだけに、ビジターで、しかも初戦を取った価値は、とてつもなく大きい。
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