MLBの日記

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花巻東高校対決2021

現地6月5日。エンゼル・スタジアム。

 

ロサンゼルス・エンゼルスvsシアトル・マリナーズの一戦が同地区対決第三戦であり、後輩・大谷翔平と先輩・菊池雄星の“花巻東高校対決”が2年ぶりに実現した。

菊池がメジャー1年目の2019年に3試合で対戦し、打率.429(7打数3安打)、1本塁打、1打点、1四球、2三振。メジャーでは先輩、2年目の大谷が上回っている。

 

大谷のド派手な活躍ばかりが取りざたされるが、劇的に向上した菊池の投球からも目が離せない。直近6先発はすべてクオリティ・スタート(6イニング以上を投げて自責点3以下)。開幕から5.70まで悪化した防御率は、3.88まで回復。

リリースの直前まで力感を減らし、コンパクトにしたことでフォームが安定した。課題の制球力が改善し、四死球が激減した。 

5月11日のディフェンディングチャンピオンであるロサンゼルス・ドジャース戦での投球が3年目の飛躍を物語る。

メジャーキャリアハイの11奪三振カッター4、4シーム3、スライダー2、チェンジアップ2。持ち球全てで三振を奪うことに成功している。

 

大谷のバットは、現在湿りがち。

左投手、中でもスライダーに手を焼き、かすりもしない状態だ。 

しかも、投打同時出場した翌日は4試合(先発3試合)で11打数無安打、6三振。疲れが影響しているのは明白で、だからこそジョー・マドン監督は76球で降板させたのだろう。

以上を踏まえれば、今の菊池が圧倒的に優位。エンゼルス打線が翻弄されると信じて疑わなかった。

 

 

1番ジャスティン・アップトンを三球三振で最高のスタート切った菊池だが、「2番・DH」の大谷に対して投じた初球が甘く入った。快音を響かせた打球は、センター方向へとグングンと伸び、バックスクリーンにある巨大な岩のモニュメントに直撃した。

初球フルスイング男に対して、慎重さを欠いたと言わざるを得ない。  

内角から真ん中に入ってきた94mph(約151km)のカットボールを捉えた。

打球速度112.5mph(約181km)、角度21度の弾丸ライナー。豪快な一発の飛距離は436フィート(約133メートル)だった。

 

メジャーでの対戦成績は4試合で打率.444(9打数4安打)、2本塁打となった。 

 

 

奇しくも、昨夜の大谷と似た状況。目の覚めるような一発を浴びた菊池はその後快投を披露。

速球を見せて、低めの変化球で翻弄。3回途中までに6奪三振を奪うなど、エンゼルス打線を一切寄せ付けない。

大谷との2度目の対決は3回1死無塁で訪れる。放り込まれたカットボールをきちんと制球し、わずか4球で追い込むと、最後は84mph(約135㎞)の外角へ沈むスライダーで空振りの三振に切って取った。 

菊池に援護の少ないマリナーズ打線だったが、3回までにパーフェクトに抑えられていたエンゼルスの先発右腕アレックス・カッブを攻め立てると、ジェイク・フレイリーの満塁アーチなどで一挙に5得点を挙げて逆転する。

キャリア2本目でグランドスラム。 

 

味方の援護を受けた菊池は、その裏にマックス・スタッシの一発を浴びたものの、見事に切り替え、4回までに毎回の8奪三振と封じ込めていく。。

しかし、5回無死1塁の場面でアクシデントに見舞われる。デビッド・フレッチャーが叩いたピッチャーライナーが右膝付近に直撃し、そのままマウンドで崩れ落ちた。  菊池に当たって跳ね返ったボールを、捕手ホセ・ゴドイの悪送球の間に、一塁ランナーが帰還。

自力で立ち上がれなかった菊池は降板。まだ64球、尻上がりに調子を上げ、崩れそうには見えなかっただけに、非常に残念だった。打撲で済んでくれることを願うばかりだ。

 

 

菊池が降りた後は、ワンサイドゲームに一変。

3番のアンソニー・レンドーンがセンター前タイムリーを放って1点差に詰め寄ると、俄然、攻勢を強めたエンジェルスは、6回にテイラー・ウォードの2ランホームランで逆転に成功。

さらに7回には、無死2塁で第4打席に立った大谷が放ったライトライナーで3塁に進塁したアップトンが、レンドーンのサードゴロの間に帰還して1点を追加。

火のついた打線は、8回に4点を追加。

さらに1死3塁と得点圏にランナーを置いた局面で、大谷が第5打席に立つ。

マリナーズの6番手アンソニー・ミセビッチ、カウント3-2から内角に投じられた81mph(約130km)のカーブを腕を折りたたみながら巧みにレフトへ。技ありのタイムリーツーベースを放ち、久々のマルチ安打。

最終回をアレックス・クラウディオが3人できっちりと締めて、12-5での連勝を決めた。

 

 

 

 

 

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