鉄人
前回登板(現地5日)のエンゼルス戦。
5回にデビット・フレッチャー[94.7マイル(約152キロ)]の打球が右膝内側に直撃し、そのまま降板となっていた。
12日。オハイオ州クリーブランドにあるクリーブランド・インディアンスのホーム球場プログレッシブフィールド。
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— Seattle Mariners (@Mariners) June 12, 2021
大事に至らず本当に良かった。先発ローテを崩すことなく、中6日での先発登板。
調整もいつもと違ったはずだ。万全の状態ではないだろう。
3回までは、すべての先頭打者を出し、3四球と制球に苦しんだ。
2回、3回のピンチを切り抜けると、フォームを修正し、立ち直った4回からは見事だった。
主軸に右打者が並んだ打線に対して、大外から入れるバックドア、膝元へのカッター、スライダーもキレを取り戻した。98マイル(157.7キロ)まだ届いた速球を混ぜ込み、完全に制圧。ゴロの山を築いた。
7回を94球。被安打3、奪三振6、与四球3、失点0の好投を見せ、防御率4.05⇒3.67に回復。
今季12度目の先発登板で9度目となるクオリティースタート(投球回6以上、自責点3以下)を達成。
初回にディラン・ムーアの押し出し四球で先制したマリナーズは、
3回表にジェイク・フレイリーの3号2ラン。キャリア3本目。
左のジャスティン・ターナー。前回菊池登板の試合でも、グランドスラムで援護してくれた。ラン・サポート(RS)の少ない菊池に頼もしい存在だ。
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7回表にはムーアの6号ソロで、4点をリード。
完璧な試合運びだったが、菊池降板の後、まさかの急転直下。
2番手ケンドール・グレーブマンが8回裏にセザー・ヘルナンデスに10号ソロを浴びて今季初失点を喫すると、
9回裏に登板した3番手ラファエル・モンテロは簡単に二死を取ったあと、連続四球からの連続タイムリーであっという間に3失点。今季6度目のセーブ失敗となった。
タイブレークに突入した10回裏。4番手シーウォルドがヒットと敬遠で無死満塁の大ピンチ。ここでハロルド・ラミレスの打球はピッチャーゴロとなったが、シーウォルドから捕手への送球が逸れ、三塁走者がサヨナラのホームを踏んだ。
期待のプロスペクト23歳のトリストン・マッケンジーが、1回持たず降板。効率よく点を取られ、反撃の糸口はつかめずにいたが、最終的には8人の投手を継ぎこみ耐え忍び、チャンスを探し、実を結んだ。地味だがベースボールの面白さが凝縮されたインディアンスらしい試合だった。
貧打でありながら少ないチャンスをモノにしてきた両軍。成績の差は、ブルペンと監督の力量だ。
今季もマリナーズは厳しいのか、長い再建期が続いている。シーズン最多勝利記録116勝46敗 勝率.716を誇った2001年が懐かしい。
今季4勝目は手にできなかった菊池だが、厳しい状況からの修正力向上とメンタルコントロールの点で非常に意義深く、さらに自信を深める一戦だった。
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