MLBの日記

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トリプル100

大谷翔平メジャー1年目の現地2018年5月20日タンパベイ・レイズ戦。

7回2/3がメジャーキャリア最長だった。この日までは。

 

現地18日。

ミシガン州デトロイトにあるコメリカ・パークには、2012年、打撃三冠王に輝いたミゲル・カブレラの記念すべき通算500号にあと1本に迫っていることもあり、多くのタイガースファンが詰めかけていた。 

不調の打者を先頭に置くマドン式で、「1番・投手」で出場。

共有力の高い大谷は、マックス・スタッシでも、カート・スズキでもいいようだ。

エンゼルスは今季も絶望的。

先発左腕でエース格、今季終了後にFAとなるアンドリュー・ヒーニーをヤンキースに、救援左腕のトニー・ワトソンをジャイアンツにトレードに出したが、完全に売り手には回らず、プレーオフへの希望を捨てずに後半に臨んだが、同地区対決に悉く負け越してしまった。

右ふくらはぎの怪我が長引き復帰が遅れているマイク・トラウト、股関節の手術により今季絶望となったアンソニー・レンドンと主軸二枚も欠いている。

結論、大谷を楽しめば良いのだ。

ここ最近のタイガース打線には、恐さがない。打率こそリーグの真ん中にきているが、一発がない。主砲ジョナサン・スコープに気をつければ、問題はなさそうだ。

先発は、24歳左腕のタリック・スクーバル。大学時代にトミージョン手術を行ったため、ドラフトで上位には来なかったが、期待の若手だ。

5月半ばの時点で0勝6敗と序盤は苦しんだが、ローテーションを守り、チーム最多8勝(10敗)をマークするまでに巻き返した。防御率は4.10。フル稼働1年目のア・リーグで、立派な数字。自信を深め、急成長中、応援したくなる。

 

 

ジャスティン・アップトンの響かせた快音で動き出した試合は、素晴らしいSHOWTIMEの幕開けだった。

この日の投球だけを見れば、前半戦、四死球に苦しんでいたことを言い当てられる人はいないだろう。 

テイクバックが小さくなり、力感も減った。フォームを安定させ、球速より、制球を優先したのだろう。打たせて取るスタイルに変貌を遂げ、長いイニングを投げることに成功している。

メジャー4年目にして自己最長となる8回を90球でまとめ、無四球で、6安打8奪三振1失点。防御率2.79となり、今季8勝目を挙げた。

しっくり来ていなかったのか、肘への負担を考えてか、最近は抑えめだったスプリットが抜群だった。徐々に手応えを掴み、終盤に近づくほど効果を増した。縦に良く振れ、打ち気にはやる相手打者は、追い込まれれば成すすべなく空を切った。

安定感は増している。

6試合連続でクオリティスタート(6回以上を自責点3以下)を達成。

6月4日のマリナーズ戦で2勝目を挙げて以降、2か月半負けなしで、7連勝となった。 

シーズン100投球回に到達。100奪三振以上、打者として100安打以上を含めた「トリプル100」も達成した。 

 

唯一の失点は、24歳の伏兵ウィリ・カストロだった。

たった打率.215、7本塁打とは思えない。来るのが分かっていたかのような見事なカーブ打ち。

 

投手戦を演じ、締まった試合を作ったスクーバル。 

高低と緩急で翻弄。速球を見せたあとのチェンジアップ、カッターを織り交ぜ、アップトンに被弾した後は、圧巻の投球だった。

 

 

敵地コメリカ・パークが沸き立ったのは8回。

先頭打席、前夜空振り三振に仕留められたホセ・シスネロの2球目だった。 

打った瞬間確信の一打は、初速110.1マイル(約177キロ)、飛距離131メートル。

この日の40号は、エンゼルスの左打者としては1982年レジー・ジャクソンを抜く球団新記録。  

本塁打王争いで、2位のトロント・ブルージェイズゲレーロJr.に5本差と突き放した。

打点は87となり、リーグトップに2差とした。 

 

 

肩で風を切るパフォーマンスは、前日に第1号満塁ホームランで劇的な勝利に導いたジョー・アデルのマネらしい。

ノリノリのアデルは今日もファインプレー。 

大谷の投球テンポの良さは、好守備が生まれやすくしている。

 

 

 

 

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