奇策
現地5日。本拠地エンゼル・スタジアムでのオークランド・アスレチックス戦。
互いに譲れない同地区対決は、4時間13分の手に汗握る乱戦となった。
両軍ともに採用したオープナー戦略が、機能しなかったことが原因だ。
1回裏、トミー・ラステラの13号先頭打者ホームランで先制。
通算220Sの経験豊富なベテラン、ホアキム・ソリアの2球目を振りぬいた。
ラステラは間違いなくキャリア最高のシーズンを過ごしている。
幸先よくスタートを切るも、 2番手フェリックス・ペーニャが乱調で打ち込まれる。
2回表。ジュリクソン・プロファー、マーカス・セミエン、マット・チャップマンのタイムリーで4失点。
3回表。ロビー・グロスマン、プロファー、セミエンのタイムリーで3失点。
1回2/3を投げ、7失点・7自責点。
一気に6点差をつけられての3回裏。エンゼルスの至宝が流れを変える。
巧くタメをつくった。15号2ラン。
その後も、大谷の打球速度112マイル(約180キロ)の火の出るようなライト前ヒットから繋がり、デービッド・フレッチャーのタイムリーなどで4点を返し、2点差。
4回表。3番手ノエ・ラミレスが、3、4、5番を三者空振り三振。完璧に攻撃への流れを作る。
4回裏。ルイス・レンギフォのヒット、ラステラが四球選び、2死一・二塁の場面。
大谷の3打席目。
詰まりながらも放り込む技術とパワー。今季初2試合連発となる5号逆転3ラン。
その後は、5、6、7回と4番手王維中に封じ込まれると、
8回表にマット・オルソンのタイムリーで追いつかれ。6番手ハンセル・ロブレスの暴投で再びアスレチックスが逆転。
UNREAL HUSTLE @mattchap6!#RootedInOakland pic.twitter.com/BpOIFZctW8
— Oakland A's (@Athletics) June 6, 2019
チャップマンの好走塁。判定アウトも、チャレンジ成功。
1点を追う8回。ボブ・メルビン監督がまさかの奇策に打って出る。
2死一、二塁。塁が埋まっているのにもかかわらず、トラウトは申告敬遠で歩かせた。満塁にしてでも大谷との勝負を選び、ワンポイントの左腕ライアン・バクターを投入。
We are all tied up here, folks! Rally hats, anyone? 🙋♀️🙋♀️🙋♀️ pic.twitter.com/9jq0YhGmgR
— FOX Sports West (@FoxSportsWest) June 6, 2019
この緊迫するなかで、ハートはホット、ヘッドはクールだった。良く見て、選び、押し出しで同点。珍しく感情を露わにした。試合後、「ホームランよりも嬉しかった」と語った。
悔しいバクター、厳しい場面で良く投げた。
メルビン監督も成功すればかっこよかった。その勇気を称えたい。イチローの親友だから応援したい。
延長戦の香り漂う、9回2死、 ブライアン・グッドウィンがこの日初ヒットで出塁すると、盗塁を成功させ、1打サヨナラのチャンス。
ダスティン・ガーノーが前進守備の頭を超えるエンタイトル2塁打で、このシーソーゲームを制した。
#HaloRecap: Garneau walk-off double, Ohtani three-run homer and 3-for-4 night from La Stella boosts Angels over Athletics in the bottom of the ninth.
— Los Angeles Angels (@Angels) June 6, 2019
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大谷は4打数2安打4打点の活躍でチームの勝利に貢献。今季の打率は.250、OPSは.739となった。1試合4打点は過去9度の3打点を上回り、メジャー移籍後、自己最多になった。
今季3度目、通算7度目となるトラウタニ弾。何回見られるか、楽しみだ。
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