MLBの日記

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に続き、

今季2度目の週間MVPを受賞。週間MVPの対象成績となった6月28日~7月4日の大谷は、打者として6試合に出場し、打率.286、2度の1試合2発を含む6本塁打、8打点、1盗塁を記録。毎試合、ホームランを期待されてしまう異常事態となっている。

 

 

現地6日。本拠地エンゼル・スタジアムでのレッドソックス戦に「2番・投手」で先発した。 

主軸のアンソニー・レンドンが左ハムストリングの怪我により、10日間のIL入った(負傷者リスト)。打撃力の低下を補うためか、マスクを被ったのはコンビを組んでいるカート・スズキではなく、覚醒したマックス・スタッシ。

 

前回登板したヤンキース戦でストライクが入らず、1回持たずに2/3回を2安打5四死球の大乱調。自己ワーストの7失点でKOされた。

皮肉にも、打撃が絶好調であることが、投球メカニックの乱れに繋がるのではないか、と思っていた。

ア・リーグ打点2位の強力打線に加えて、投げ合うのはネイサン・イオバルディ。開幕投手を務めたエースで31歳右腕は、160km近い剛速球とスプリットが魅力で、大谷と似たタイプ。投手陣で最長イニングを投げ、防御率も3.41と安定して試合を作り、ア・リーグ首位のチームを牽引するとともに、キャリア最高のシーズンを過ごしている。

ポジティブな面は、ホームであることぐらいしか思いつかなかった。 

 

 

強力打線を相手に、打たれることを恐れることなく腕を振った。力みはグッと減って、段々と指にかかりだし、球持ちが長くなった。

渡米後2度目の無四球で初球から2球続けてボールは1度だけ。フルカウントも1度だけ、常にカウントで有利になることを心がけた。ストライク率は73%、89球中65球がストライクという圧巻の投球だった。

1回にJ.D.マルティネスの犠牲フライで1点を奪われても、その裏無死二塁で初速173kmのライトフェンスまで届く痛烈タイムリ二塁打を放ち、まさに二刀流で自身を助け、今季68打点目を挙げた。今季の打率は.276、OPSは1.054となった。

5回には67.8mph(約109.1km)のカーブと97.5mph(約156.8km)の4シームを組み合わせる緩急を、高めを使って見せての外角カットボールで、高低も使う技巧を見せた。 

7回を5安打2失点で4勝目。防御率3.49に回復。日米通算50勝目(日本ハムで42勝+エンゼルスで8勝)をマークした。

 

 

大谷と仲良しデビット・フレッチャーは20試合連続安打。 

4打数4安打1打点と大活躍。9番で復調し、1番で意外な活躍を見せていたジャスティン・アップトンの怪我で、定位置に戻ってきた。

 

 

今季2度目のバッテリーを組んだスタッシが勝ち越し2ランで援護。ザンダー・ボガーツの捕らなければ逆転2ランにとなる大飛球を、2014年のゴールドグラバー中堅フアン・ラガーレスが見事なホームランキャッチ。

これで流れを引き寄せたエンゼルスは6回裏に2点を追加。クローザーのライセル・イグレシアスが9回表にハンター・レンフローの13号ソロで1点を返されたが、5vs3でレッドソックスに勝利した。 

大谷のことを聞かれたマイク・トラウトが絶賛したのは、メンタルだった。

「打撃は難しく、大部分は失敗する。前の打席を引きずらず、すぐに切り替える。これを投手としても行っていることが、信じられない」、「失敗しても、彼が腹を立てているのを見たことがなく、常に笑顔でいる」と話し、「彼が今季のようなシーズンを送っていて、本当にうれしい」とメジャー最高の野手の温かいコメントである。

想起するのは、遡ること2018年の9月、MRI検査の結果、右肘靱帯に新たな損傷が判明し、医師からは靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を勧められていると衝撃のニュースが走ったその日の試合。

2本の本塁打を含む4打数4安打3打点1四球の大活躍で、周囲の心配を吹き飛ばした。この試合だけを見たら、全く気づけない。呆れるほどいつもの大谷だった。

その後も城島健司に並んでいた日本人1年目の本塁打記録を更新。

1996年の野茂英雄以来2人目、1年目では史上初となるシーズン2度目の週間MVPに選ばれ、新人王にまで到達した。

 

悪い結果は引きずらず、次の良い結果に向けて切り替える。すべてのアスリートに当たり前に言われる難しいこと、1流はこれが出来る。これを積み重ねることで1流になったとも言える。大谷は、その圧倒的なポテンシャルを備えたにもかかわらず、一切胡坐はかかなかったに違いない。小さな改善を繰り返して、前人未到の今があるはずだ。

どこまで行くのだろうか。目が離せない。

大ファインプレー。 感謝の気持ちを込めて、もう一度。


 

 

 

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