MLBの日記

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MLB最速1500K

現地6月21日。サンディエゴ・パドレスの本拠地ペトコパークに、昨季のチャンピオンであるロサンゼルス・ドジャースを迎えた一戦で、ダルビッシュ有が偉業を達成した。

パドレスドジャースの一騎打ちと見られていたナ・リーグ西地区は、サンフランシスコ・ジャイアンツが予想外の健闘を見せ、三つ巴の激戦となっている。直接対決を多く残しているものの、毎試合が落とせない重要な試合だ。

ダルビッシュにとっては古巣であり、苦しい時を過ごしたドジャースを迎えた一戦で先発登板。自身の力を示したかった。

最速98マイル(約158キロ)を投げ込み、カッター、スライダーの切れも抜群だった。右打者の外に逃げていくボールは、意識を持ったかのようにバットから逃げた。

6回を2安打1失点11奪三振と圧巻の投球を見せ、今季7勝目(2敗)を挙げた。

チームを5連勝に導いた白星は、メジャー通算78勝となり、日本選手3位の田中 将大に並んだ。 

パドレスの投手が7連続奪三振を記録したのは、2007年4月25日のジェイク・ピービー以来とのことだ。

 

そして、歴史を塗り替えた。

MLB史上最速での通算1500奪三振を達成した。 

 

レジェンド中のレジェンドであり、殿堂入りを果たしているランディ・ジョンソンを抜いて、197試合目での通算1500奪三振を記録。

 

<1500K到達試合数>

2位・206試合、ランディ・ジョンソン。通算303勝、左腕最多サイ・ヤング賞5度受賞、4875K(MLB史上2位)。

3位・212試合、ゲリット・コール 。61奪三振連続無四球のMLB新記録樹立。

4位・213試合、スティーブン・ストラスバーグ。※イニング数での最速1500Kは2位。

5位・216試合、ロジャー・クレメンスサイ・ヤング賞、歴代最多7度受賞。4672K(MLB史上3位)                        

     

※1位ダルビッシュの1216.1イニングは不動だが、1271.1のストラスバーグは、現在、1241.2で1476Kのジェイコブ・デグロムと入れ替わりそうだ。

 

 

メジャー2年目の2013年、リーグ最多の277奪三振を記録する。

力で抑え込んでいたスタイルから、ベテランになるにつれ、頭を使った投球術で相手打者を翻弄するようになり、変化球も増やしていった。

2019年のカブス時代に、クレイグ・キンブレルから教わってすぐに実戦で試したナックルカーブが話題になったが、その器用さに驚くとともに、その遊び心は素晴らしく感じたものだ。

 

「もう今年(8月16日で)35歳。人間的に成長できているのかなと思います」と心技体を充実させたダルビッシュは、実るほど頭を垂れる稲穂かな、がピッタリだ。

言動には、謙虚さが見える。支えてくれた妻に、丈夫に生み育ててくれた両親に、感謝の意を述べた。

 

苦しい時は長く続いた。右肘を痛めた2014年の後半から、トミージョン手術を経て、復帰した後も、なかなか本来の投球を取り戻すことが出来なかった。

もう下降線をたどるのみと見られていたが、2019年の後半から突如復活。

昨年、サイ・ヤング投票2位。

良き理解者で、好捕手ビクター・カラティーニもセットでカブスからパドレスに移籍した今季も、好調を維持。

短縮シーズンから通常に戻った今季、調整は難しく案の定怪我人は多く出ている。

チーム初のワールドシリーズ優勝は、ダルビッシュの投球術なしには達成できないだろう。

 

 

 

 

 

 

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