ワシントン・ナショナルズ
FINISHED THE FIGHT.
— MLB (@MLB) October 31, 2019
The @Nationals are #WorldSeries CHAMPS. pic.twitter.com/lCS6r9Y0Da
最終戦までもつれた2019ワールドシリーズは、ビジターチームが全勝するという予想だにしなかった珍シリーズとなった。
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— MLB Japan (@MLBJapan) October 30, 2019
先発投手は、
アストロズが、ワールドシリーズ(WS)第3戦、遅球カーブで相手打線を翻弄したザック・グレインキー。勝ちこそ付かなかったがチームを勝利に導いた。
ナショナルズが、WS第5戦の先発を首痛で回避したマックス・シャーザー。ワイルドカードゲームで投げてから、ポストシーズンをフル回転、疲れは隠せないが最終戦で、全力を振り絞る。
5回裏。カルロス・コレアのタイムリーでリードを2点に広げた。
ナショナルズの反撃は、7回表。アンソニー・レンドンのソロ本塁打から始まった。
続くフアン・ソトが際どいボールを選んで四球を奪い取り、これがA.J.ヒンチ監督の継投を決意させるファインプレーとなる。
打ちあぐねていたグレインキーに代わった2番手のウィル・ハリスから、ハウィー・ケンドリックが右翼ポール直撃の2ラン本塁打を放って逆転に成功した。
流石、広角巧打のケンドリックである。最悪でも走者を進めると逆方向を意識したまさかの一発だった。
ハリスは、連日の被弾。しかし決して、悪いボールではなかった。
8回表。2死二塁3番手のロベルト・オスーナからソトがライトへのタイムリーを放って4点目。
9回表。6番手のホセ・ウルキディからアダム・イートンがタイムリーを放ってさらに2点を追加し、2019年シーズンのワールドチャンピオンに輝いた。
まだ痛みが残るはずのマックス・シャーザーは、5回を103球(ストライク58)7安打4四球と苦しみながら、2失点と踏ん張り、試合を壊さなかった。
2番手のパトリック・コービンが3回を無失点で投げ切る好リリーフで勝利投手となり、3番手のダニエル・ハドソンが締めくくった。
6回 1/3を80(49) 2安打2四球2失点の好投。制球力と緩急を自在に操り、芯を外すグレインキーらしい投球術。ソトへの四球が悔やまれる。
ゴールドグラブ賞に5回(2014年 ー 2018年)輝くフィールディングも相変わらず安定感抜群で、6年連続の受賞となる可能性は高いと思われる。
全7試合でビジターチームが勝利したのは、史上初。
首都ワシントンD.C. のチームとしては95年ぶりの快挙であり、ワイルドカードからの勝ち上がりは14年のジャイアンツ以来5年ぶり。優勝候補の筆頭アストロズを、ダークホースのナショナルズが見事に攻略した。
主軸のブライス・ハーパーが去ったこともあり、期待値が高くなかったナショナルズは、シーズン序盤で大きく出遅れ、一時は、チームの解体もささやかれたが、借金を完済した6月後半からオールスターブレイクを挟んで一気に貯金を増やし、混戦だったワイルドカードの1位獲得に成功。
シーズンが進む中で、ベテランと若手、投打が噛み合い出し、結束力を強くしたチームは、さらに成熟していった。ポストシーズンに入っても、下馬評を覆し続けた。
ドジャースとの地区シリーズでは、先に王手をかけられ、最終の第5戦も0-3からの劇的な逆転で、勢いは加速。リーグチャンピオンシップでは古豪カージナルスをスイープした。
WSでは、ホームで痛恨の3連敗。希望は潰えたかに思えた。今季レギュラーシーズンでは、本拠地60勝21敗と圧倒的な強さを誇ったアストロズの前に、ビジターで2連勝するイメージが湧かなかったからだ。
第2戦、負ければ終わりの第6戦と、敵地で2勝をマークしてストラスバーグがMVPに輝いた。
打のMVPを選ぶなら、ソトになる。
WS途中で21歳になった若者は、心はホットでも、頭はクールだった。
チャンスに、大一番に強かった。どんなに打ちたい場面も、我慢した。彼の選球眼は、相手投手を本当に苦しめ、甘い球は逃さなかった。この先どこまでの選手になるのだろうか。
数々の逆境をはね返してきたミラクルナショナルズ。ジャイアントキリングは気持ちが良い。来季も楽しみだ。
実に面白いワールドシリーズだった。
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