MLBの日記

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ワシントン・ナショナルズ

終戦までもつれた2019ワールドシリーズは、ビジターチームが全勝するという予想だにしなかった珍シリーズとなった。

先発投手は、

アストロズが、ワールドシリーズ(WS)第3戦、遅球カーブで相手打線を翻弄したザック・グレインキー。勝ちこそ付かなかったがチームを勝利に導いた。

ナショナルズが、WS第5戦の先発を首痛で回避したマックス・シャーザー。ワイルドカードゲームで投げてから、ポストシーズンをフル回転、疲れは隠せないが最終戦で、全力を振り絞る。

 

 

2回裏。ユリ・グリエルのソロ本塁打アストロズが先制。

5回裏。カルロス・コレアのタイムリーでリードを2点に広げた。

 

ナショナルズの反撃は、7回表。アンソニー・レンドンのソロ本塁打から始まった。

続くフアン・ソトが際どいボールを選んで四球を奪い取り、これがA.J.ヒンチ監督の継投を決意させるファインプレーとなる。

打ちあぐねていたグレインキーに代わった2番手のウィル・ハリスから、ハウィー・ケンドリックが右翼ポール直撃の2ラン本塁打を放って逆転に成功した。

流石、広角巧打のケンドリックである。最悪でも走者を進めると逆方向を意識したまさかの一発だった。

ハリスは、連日の被弾。しかし決して、悪いボールではなかった。 

 

8回表。2死二塁3番手のロベルト・オスーナからソトがライトへのタイムリーを放って4点目。

9回表。6番手のホセ・ウルキディからアダム・イートンがタイムリーを放ってさらに2点を追加し、2019年シーズンのワールドチャンピオンに輝いた。 

 

まだ痛みが残るはずのマックス・シャーザーは、5回を103球(ストライク58)7安打4四球と苦しみながら、2失点と踏ん張り、試合を壊さなかった。

2番手のパトリック・コービンが3回を無失点で投げ切る好リリーフで勝利投手となり、3番手のダニエル・ハドソンが締めくくった。 

 

6回 1/3を80(49) 2安打2四球2失点の好投。制球力と緩急を自在に操り、芯を外すグレインキーらしい投球術。ソトへの四球が悔やまれる。

ゴールドグラブ賞に5回(2014年 ー 2018年)輝くフィールディングも相変わらず安定感抜群で、6年連続の受賞となる可能性は高いと思われる。

 

全7試合でビジターチームが勝利したのは、史上初。 

首都ワシントンD.C. のチームとしては95年ぶりの快挙であり、ワイルドカードからの勝ち上がりは14年のジャイアンツ以来5年ぶり。優勝候補の筆頭アストロズを、ダークホースのナショナルズが見事に攻略した。

ア・リーグは順当だったが、ナ・リーグは荒れた。

主軸のブライス・ハーパーが去ったこともあり、期待値が高くなかったナショナルズは、シーズン序盤で大きく出遅れ、一時は、チームの解体もささやかれたが、借金を完済した6月後半からオールスターブレイクを挟んで一気に貯金を増やし、混戦だったワイルドカードの1位獲得に成功。

シーズンが進む中で、ベテランと若手、投打が噛み合い出し、結束力を強くしたチームは、さらに成熟していった。ポストシーズンに入っても、下馬評を覆し続けた。 

ドジャースとの地区シリーズでは、先に王手をかけられ、最終の第5戦も0-3からの劇的な逆転で、勢いは加速。リーグチャンピオンシップでは古豪カージナルスをスイープした。

WSでは、ホームで痛恨の3連敗。希望は潰えたかに思えた。今季レギュラーシーズンでは、本拠地60勝21敗と圧倒的な強さを誇ったアストロズの前に、ビジターで2連勝するイメージが湧かなかったからだ。

 

 

 

第2戦、負ければ終わりの第6戦と、敵地で2勝をマークしてストラスバーグがMVPに輝いた。

 

打のMVPを選ぶなら、ソトになる。

WS途中で21歳になった若者は、心はホットでも、頭はクールだった。

チャンスに、大一番に強かった。どんなに打ちたい場面も、我慢した。彼の選球眼は、相手投手を本当に苦しめ、甘い球は逃さなかった。この先どこまでの選手になるのだろうか。

 

 

数々の逆境をはね返してきたミラクナショナルズジャイアントキリングは気持ちが良い。来季も楽しみだ。

 

 

 

実に面白いワールドシリーズだった。 

 

 

 

 

 

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